わが子はLGBT。10代後半男子です。いま、見た目はすっかり女の子。

私は思いがけず「LGBTの子どもの親」という属性に生きることになりました。今回の記事はそんな親の気持ちを書いてみたいと思います。
この記事をおすすめしたい人
- わが子がLGBTとわかった親さん
- LGBTの親の気持ちが知りたい人
【わが子がLGBT】親としては…あまり語られることのない親の気持ち


LGBTは超・超「個人的」なこと。
親も子もなく、究極の「個人的」な話です。
そういうわけで聞こえてくる声は、当事者からのものが多いでしょう。
他には理解者からの声でしょうか。
当事者親の話って探しても少ないんですよね。
でもね、親も悩むはずなんです。
これだけLGBTの権利を!のような世界の状況からみて、私と同じ立場の親のみなさんがたくさんいるはずなのです。
今日はわたくし、「親の立場」からの声を語ってみます。
LGBTは個人的な話なので親は関係ない?
子育てをしてきて、その途中で急に性別が変わったら、親はどんな気持ちになると思いますか?
先にも書きましたが、このLGBTの話は究極の個人的な話なので、親が口出しする問題じゃない、と思いますか?
たしかに、それはそうなのかもしれません。
親子であっても一人の人格を持った人として接していこう、と子どもが幼い時からそう思って育ててきました。
でもね、親の私にも気持ちと人格があるのですよね……。
本当に子どものセクシャリティは親に「関係ない」のでしょうか。
最初の頃はもんもんとしましたよ…。
やっぱり親は「関係はなくない」って正直思います。
こまかく言うと関係ないと言えばそうだけど、関係ないわけないじゃん、とも思う。
そんな簡単な話じゃない、って感じ。
LGBTの子どもの親はどんな気持ち?
これは私のひとつのケース、経験でしかないのですが、今でも正直フクザツな思いはあります。
これはね、もう、日々の生活の話です。
最近は男性もメイクする時代なのはわかります。
でもね、私よりおしゃれに気をつかって、髪の毛もサラサラで誰が見ても女の子で。
病院にかかった時も、お医者さんが二度見してカルテ見て。???と。
医療者でも見抜けないのか…と思いました笑。
なぜあまり親の立場からの話は聞かないのか?


多様性が叫ばれる時代。
そもそも私のLGBTの方への認識はというと。
自分の人生の中で、LGBTという属性にいる人と関わったことは何度かあります。
身近で話したり、遠巻きに知り合いだったり……。
若い時の知人は、それ系のテレビに出て一時は有名人になりましたよ。
10数年前に東南アジアの国に少し滞在した時には、普通にまわりにいたので慣れましたっけ。
美容師さんにはわりと多く、しかも腕がいいので人気があるとか。
数年前にバイトしていたところでは、男なんだけど女性の名前と服装、メイクの子がいました。
雑談したりして仲良くしてました。
つまり、何人も知り合ってきたし特に偏見もなかったのです。
はっきりとLGBTだと知った頃にまわりの人たちに言われたこと
わが子がLGBTだとはっきり知ったあと、まわりの人にも話しました。
うちの子の場合、見た目を変えたいタイプなので隠せません。
実はある分野ではメディアに出る機会もしばしばある子だったので、昔と今では見た目が違うのは一目瞭然なのです。
で、最近女の子になったんだよ…と戸惑いぎみで話をすると。
不思議なほどみんな口を揃えて「えーいいじゃん!」「〇〇くんらしい、問題ないっしょー」と言います笑。
私がまだまだ戸惑っている時でも、必ずみんなそう言います。
たぶんきっと、励ましも含んでのことなのかも。(なんの励まし?)
みんなほんとは、なんて言ったらいいのかわからなかったのかもしれません。
それと、気づいたのは自分の経験を話してくれる人が多いということ。
「前の職場にも…」「私の友達には…」
身近で見てきたから慣れてるよ、ということなのかな。(それを言うなら私も同じかな)
だいたいまわりからの反応はこんな感じでした。
私が親として戸惑っている…なんて話はできないな、ってその時思いました。
LGBTになったわが子を受け入れられない、葛藤している、戸惑っている。
そんなこと言ったら「えーなんでー?いいじゃーん」と理解のある人たちに言われてしまいます。
するといきなりなぜか、私が差別主義者認定されてしまいかねない雰囲気を感じたんですよね。
わが子がLGBT。それを受け止められない、とは言えない
動揺して苦しい気持ちでいた頃、「えー別にいいじゃーん」というまわりの人に、もうちょっとつっこんで聞いてみたことがあります。
「もし自分の息子が急に女の子になったらどうする?」と。
「いいじゃーん」と言ってくれた人でもほとんどの人は、
「怒鳴ってビンタしてやめさせる」「絶対考えられない」
お父さん立場の人は「殴って家を追い出すだろうな」とのことでした。
なるほど、みんなLGBTについては他人事だし、自分ごととしては考えてない。
多様性が叫ばれる今日この頃なので、差別する側の人として思われないような言動をとってしまいがちなんでしょうね。
よくよく考えてみると、私も含めてそうなのかもしれません。
まさか当事者の親になるとは思ってもみなかったし、普通はそうですよね。
差別とか偏見とか、ネガティブな話ではなく、わが子がそうだった場合に親としてできることってなんなんでしょうね。
できることなら、10代の息子が急に女の子になって、メイクして部屋の中も女の子らしくなって、いいにおいになっても、戸惑わず寛容な母でいるのが「正解」なのかもしれません。
参考になる本はこちらから
わが子がLGBT。親はどうするのが正解?


わが子がLGBTになってからの、まわりの反応や自分の抱えきれない複雑な感情について書いてきました。
自分とは別人格の人間でありながら、自分の産んだわが子のこと。
他人ではないし、他人でもある。
「個人」の話でもありながら、親の立場としては、当事者の親という当事者です。
ややこしいけど、ある意味での当事者ではあると思うんですよ。
親はどうするのが正解なんでしょうかね…。
わが子がLGBT。親ができること
親にはいったいなにができるのでしょう。
その前にLGBTの子ども、いえ大人でも同じことですが、親には理解してもらいたい、という強い願いがあるようです。
親を大切に思うからこそ、親に拒否されたくない、という強い願い。
親はいったいなにができるのか。
でもそれ以前に「拒否しない」ということが大事かな、といまは思います。
先にも書いたように、いまは多様性が叫ばれる時代。
私は差別する人間ではないと、自分で自分のことを思っているし、まわりからもそう見られたい。
だけど実際自分の身内、たとえばわが子がLGBTだとわかったら……。
他の人の話を聞いてみてわかりましたが。
もしそれが自分ごとになったとしたら正直受け入れがたい……、というのがおおかたの親のホンネのようです。
もちろんそうじゃない人もいるでしょうし、それはそれですばらしいと思います。
私は最初、正直言うと受け入れられませんでした。
友達もいたし、偏見もないと思ってた。
それでもね、自分の子となると複雑なんです。
それまで過ごしてきた年月がありますから。
どこかで見かけた、親がすばらしい態度で涙ながらに受け止めているムービーなんかを見て、正解はこれだろうなーとも思ったりしますよ。
あー、でも正解ってなんなんでしょうね、そんなのあるのかな。
平和な日々を紡いでいくこと
複雑な気持ちでも、日々の生活は過ぎていきます。
感情をぶつけあって、距離をおいた時期もありました。
凸凹な道を通りながらも、なんだかんだいまは仲良くやっています。
特にLGBTのことについて、話題にすることはありません。
というかその話題は避けている感じです。
それよりも日々を平和に過ごすことのほうが大切に感じます。
親にカミングアウト。
それはわが子の人生にとって、一生尾を引く可能性のあった出来事であったことには間違いないのです。
むやみに親としての自分の気持ちを優先して、大きな反応をするよりも、いまを平和に過ごし、少しずつ消化していくほうが健全だと思う。
そうじゃなくても、10代のわが子の心は繊細で揺れ動きやすい。
親としてもしできることがあるとするなら、平和な毎日を過ごすこと。
おいしいご飯をおいしいね、といいながら食卓を共にすること。
あとは……、信じることかな。
根拠はないけど、とにかく、なにがあっても信じようって、そう思ってる。
生きてるだけでいいと腹をくくった
LGBTの人は生きづらさを抱えています。
理由は、……うん、そう、たぶん数えきれない。
最初からわかりやすく「LGBT」と書いてきたけどほんとはもっと複雑で、いまはLGBTQ+とも言われます。
私も親としてたくさん調べたし、セミナーに参加して勉強したこともあります。
人口の8%にあたる人が該当し、自殺のハイリスク層であることでも知られています。
「みんなと同じ」を正しいとしがちな日本では、特に生きづらいでしょう。
大人は子どもより経験もあるし視野も広い。
もしもわが子にLGBTの兆候や、またカミングアウトされた場合、とっさに大きな反応をしてしまったり拒絶してしまったりするかもしれません。
でもそれは、子どもを大切に思うがゆえのこと。
心配だから。
守りたいからなのです。
それでも、あらためて思います。
自戒をこめてのことですが、まずはなんとか自分の反応を抑えて、少し冷静に対処してみることが大切だと思います。
当事者の声を拾ってみると…
- 隠してるのがつらい
- 親に認めてもらえない・拒否された
- 死にたい
こんな声がありました。
一番の理解してほしい人(親)に拒絶されると生きていることがつらくなります。
これはLGBTの人のことじゃなくても理解できますよね。
私がすこし冷静になって、やっとたどり着いたのはこんな感じ。
死んでほしくない 幸せに生きてほしい
これだけでいいな、と。
まだまだ感情は複雑です。
でもとにかく、生きていてほしい、と思います。
親はわが子の生きづらさや、社会的な偏見などから守りたくて、つい反応したり、なおそうとしたり、拒絶してしまったりするかもしれません。
ただ、大事な時期に大きな傷を負ったしまうことは、親子の関係に一生引きずるような傷あとを残す可能性だってある。
1日を平和に生きる、これを目標にしようと思いました。
とはいえ、1年くらいは悩みまくって、たどり着いたことです。
簡単なことではありません。
まだまだこれからも、いろんなことがあるかもしれませんね……。
まとめ
わが子がLGBTだとわかったときの、「親の気持ち」。
まわりの人に相談しにくく、一人で抱え込んでしまうかもしれません。
また他の人にはなかなか理解されにくい話でもあります。
こういう時代なので「すごーい、いいじゃーん」と声をかけられて、自分の気持ちとのギャップを感じることもあるかもしれません。
でも親として戸惑う気持ちがあるのは、当たり前だと思うのです。
当たり前の気持ちに蓋をしないで、でも子どもが幸せに生きるためにどうしたらいいのか、ゆっくりでも前に進めるといいですね。


本人が一番、悩んでいるのかもしれないのです。
親は子どもの心に寄り添って、なにがあっても味方でいたいものですよね。
たまたまこの記事を読んでくれた、LGBT当事者の方へ。
親の気持ちと、自分の気持ちはわけて考えることをおすすめします。
親もときには、わけて考えられなくなることもあります。
そんな時は待ってあげてほしい。
お互いに違う人間だということをお互いが知って、それでも違いを乗り越えて。
大切な家族の関係を続けていきましょう。
お互いがお互いを大切に思っているのだから…。
読んでくださってありがとうございました♪
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コメント
コメント一覧 (3件)
一個人としては受け入れられても、いざ親という立場になると、受け入れるにはかなりの覚悟がいると思います。
俺はどっちかというと、すぐに現実的なことを心配したりします。
相手ができたときにパートナーシップ制度のある街に引っ越しするのかとか、養子縁組することで法的な権利が発生するのかとか。
どちらにしても、子どもには男らしくとか、女らしくとかより、自分らしく生きて欲しいと思います。
小太郎さん。コメントありがとうございます。
具体的なこと、もちろん心配になりますよね。
「関係ない」、と言ってしまうと冷たいように聞こえるけれど、本人の選択を信頼して応援するスタンスだけです。
ブログを読んで、自分ごととして考えてくださってうれしいです!
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