私は『1型糖尿病』という病気です。

普段あまり人には言いたくない病気の話をここで書きます。
少しでもこの病気のことを知る方が増えるといいな、と思っています。
1型糖尿病、聞いたことはありますか?
映画やドラマ、またはテレビのドキュメンタリーなどでも聞いたことがある方もいるかもしれません。
発症原因は不明。本来人の体はインスリンで血糖値をコントロールしますが、そのインスリンが出なくなる病気です。
外部からインスリンを補充することで健常者と同じような生活をすることは可能ですが、毎日途切れることなく、自分でインスリンの注射を打つ必要があります。
人によって違いますが、私の場合は日に最低4回は打っています。
現代の医学では治ることはありません。
全糖尿病のうちの5%、10万人に1人程度の珍しい難病です。
インスリンを外部から補充しなければ死に至ります。
有名人の方がこの病気の場合、よく本を書いたりなどして病気に対する理解を広めるための活動をしてくださることが多いです。
1型糖尿病の有名人
- 杉山新 |元Jリーガー
- 岩田 稔 | プロ野球選手(阪神タイガース)
- 大村 詠一 |元エアロビック競技 日本代表
- ビル・ガリクソン |元プロ野球選手
- テリーザ・メイ|イギリス元首相
- ニコール・ジョンソン|元ミスアメリカ
等、この病気を抱えていたとしてもいろいろな場所で活躍されてきています。
●大村 詠一さんの著書 「僕はまだ がんばれる-不治の病 1型糖尿病患者、大村詠一の挑戦」
●岩田稔さんの著書 「やらな、しゃーない! 1型糖尿病と不屈の左腕」
病気のことは人にはあまり言わないことにしている
この病気はきちんと治療をしたら健常者と同じように生活できます。
そして病気を理解してもらうための啓蒙活動される方が多く、また医療従事者になる方もとても多いです。
それなのに本当に申し訳ないことなのですが、私はあまり人には言いたくないのです、この病気のこと。
人に言いたくない理由はなぜかと言うと・・・
理解されにくい
2型の糖尿病のイメージが強いため、1型のことはわかってもらいにくい
生活習慣病と言われる2型糖尿病は国民病とも言われるくらい一般的です。
全体の90%以上は2型。
差別的な意図はないので誤解しないでいただければと思うのですが、1型の人は2型と同じように思われるのは困るのです。(私はそうです)
1型は食事や運動をしてよくなる可能性の高い2型とはまったく違います。
糖尿病は暴飲暴食、運動不足、加齢、などの一般的なイメージがあると思いますが、それらは2型糖尿病のことです。(ちなみに2型のイメージが必ずしもその通りではないとも思っています)
1型は最初に簡単に説明したように、インスリンが出なくなる病気です。
原因不明で、赤ちゃんでも痩せていてもスポーツ選手でもこの病気になってしまうことはあります。
ひと昔前は「小児糖尿病」とも言われ、赤ちゃんや子どもの病気と思われていました。
病名や治療も時代と共に変わります。
1型の人たちの間では糖尿病という言葉は誤解されやすいため、病名を変えようという活動をされている方々もいるようです。
とにかくこの病気は、誤解をされやすいのです。
どんな誤解があるか

誤解①元気そうに見えるから、軽い病気だと思われがち
スポーツ選手やミスアメリカ、世界中を飛び回る英国首相、など元気で華やかな活動している人々が目立ちます。
なぜでしょう。
彼らは「病気だからと言ってあきらめるな、なんでもできる」と子どもたちや同じ病気の人たちを励まし、勇気を与えようとしてくれます。
本当に勇気を与えていただいているし、感謝しています。
でも、やっぱり2型と混同されがちなので一般的な認識としては、タイプの違う1型というのがあるのね、というある意味病気の深刻さは正確に知ってもらえないことになるかもしれません。
この辺は少し複雑な思いがあります。
「この病気はなんでもできる」と人には言いたいです。ただ、その前には現実的に病気の深刻さが存在します。
それを丁寧にまわりの人に説明するには心理的にも辛いことです。
有名人になって一冊本でも書ければいいんですけど・・・。

少しだけ深刻さをお話します。インスリンを打つことで血糖コントロールができるというのは事実ですが、それほど簡単なことではありません。2型の人はあまりないようですが、頻繁に低血糖も起こります。血糖値を下げるためにインスリンを使うのですが、低血糖は死に直結してしまうのでとても難しいです。
誤解②気を使われすぎる

1型の説明をする場合、インスリン注射の話は避けられません。
やはり2型のイメージがみなさん強いので「インスリン注射」は糖尿病の最後の手段、病状は最高に悪いのだろう、と思う方も中にはいます。(私も最初はかなりびっくりしたのでわかります。)
そうなるとどうしても気を使われすぎてしまいます。
ケーキを食べるような場面では、「食べられなくてかわいそう」。運動するような場面では「休んでてね」。
こういう風に誤解された場合、説明しなければいけません。←ケーキを食べられなくなっちゃいますから(笑)
「2型のように食事も運動もこの病気には影響しません。インスリンの量を調整したら(まあ、それも難しいですが・・)なんでもできるんですよー。」
こんな風に説明して、その場はわかってくれたとしましょう。
でもまた次回会った時、同じこと言われるんですよね💦
これは仕方のないことかもしれません。
病気は本人が一番理解してます。人に必要以上に理解を求めないようになりました。
親族であっても同じです。
亡くなった母は2型でしたが、なかなか1型について理解できませんでしたから・・・。
そういうわけで、あまり病気のことは言いたくありません
ブログの中では自由に言いたいことを言える、のこっちとして病気のことをカミングアウトしました。
必要以上にかわいそうに思われるのも嫌だし強がってもいるのですが、正直人に理解されないというのはね。ちょっと、悲しい時もあります。
私の場合子どもの時の発症ではなく、妊娠中に発覚しました。
病気とは既に10数年来のお付き合いです。
もうすっかり慣れていて、インスリン注射は手を洗うくらいの日常です。
ただ、それでもコントロールがうまくいかなくて、しんどくて涙することもあります。(つい先日もそんなことがありました。)
あと、リアルに困るのは医療費がめちゃくちゃかかること。
20歳までは難病として国から補助がありますが、大人世代になるとなぜか普通にお金がかかるんです。しかも高いのです。ここは国になんとかしてほしいところです・・。
今日はリアルではあまり人に言いたくない、自分の病気のことを思い切って書きました。
同じ病気の人がいたらぜひ声かけてくださいませ。仲良くしましょう♪
そして、この記事を見てこの病気に興味を持ってくださった方がいたら少しうれしいです。
理解が広がることは、きっと当事者が生きやすい世界になるから。
読んでくださってありがとうございました。
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